
平戸裕馬(ひらとゆうま)
SEADS講師
株式会社WithFamer 代表
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明治大農学研究科修了。日本政策金融公庫、公益財団法人SAWADA FOUNDATIONを経て、2020年独立。福井県出身。祖父が農家で幼い頃から農業が身近に。小学生のときに訪れたフィリピンで、ゴミ山に生きる人々の姿に衝撃を受け、飢餓と飽食の問題に興味を持つ。大学では机上の講義に満足できず、全国を巡って出会った農家の情熱や世界観に感銘を受ける。同時に、自らの経営を更新できずに廃業する農家も多く目にし、ミクロな経営の大切さを痛感した。卒業後は日本政策金融公庫に就職。配属先の宮崎で新規就農支援を担当しそのハードルの高さを実感。その後、経験の幅を広げるべく公益財団法人SAWADA FOUNDATIONにジョインし、様々な企業の業績回復を手掛けた。現在は株式会社WithFamerを立ち上げ、事業継承をメインに、大小規模のコンサルティングや金融支援を行っている。
Twitter:@doyato87
全15コマの講義では、そもそも新規就農ってどうやったらできるの? というところから、5カ年計画づくりまでを行なっています。具体的には、まずは自身の農業を始める理由や目指したいライフスタイルを整理し、それを実践するにはいくら稼ぐ必要があるか、そのための道順は? といったことを教えています。また、「稼ぐとはなにか」ということや、経営に必要な準備についてなど(コストと考え方、計画の立て方、経営シミュレーションなど)もお伝えしています。実際に農業を始めるときの現場の苦労は身を持って感じていますので、その視点を活かし、観察者・コンサル的な立ち位置だではなく、実務者として一緒に学んでいければと思っています実際に農業を始めるときの現場の苦労は身を持って感じていますので、その視点を活かし、観察者・コンサル的な立ち位置だではなく、実務者として一緒に学んでいければと思っています

食と農林漁業に関わる学生団体GOBOの代表として農林水産省でプレゼンを行う平戸さん
これまでの知見を活かし、これから就農される方に対してなにかできないか、10年ほど農業経営のことを考え続け、ようやくアウトプットできるようになってきたかなというタイミングで、声をかけていただきました。憧れだった「大学で教える」という夢ともマッチしました。ここでは若い力で授業を作っていけ、農業界にまた一つ風穴を開けられるのではと思っています。それから、鶴岡にはこれまでも何度も訪れていて、そのたびに素晴らしい場所だなと感じていましたし、この地で新しい挑戦をしているヤマガタデザインにも興味を持ちました。
やりたいことを実現するための手段をよく考えてから、農業の世界に足を踏み入れるのがよいのかなと思います。思いを実現するためには稼がなければならない。その「稼ぎの幅」をいかにデザインできるかがとても大事だと思います。研修生のみなさんとは、講義をして終わりの関係ではなく、卒業してからもずっと一緒に学び続け、伴走していく存在でありたいですね。