今野 正光
庄内たがわ農業協同組合
営農販売部園芸特産課 係長
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鶴岡市出身。実家が農業を営んでいるため、幼い頃から農業を身近に感じながら育つ。農学部に進学、農業を通して地元を活性化したいと考え、JA庄内たがわへ入組。 現在は営農販売部園芸特産課に所属し、管内の特産品目のさらなる振興を目指している。
私たちJA庄内たがわは鶴岡市の一部(旧温海町、旧藤島町、旧羽黒町、旧櫛引町、旧朝日村)と庄内町(旧余目町、旧立川町)、また三川町の8JAが、平成7年に合併して誕生しました。つまり3つの市町にまたがる広域のJAです。
地域によって気候や立地が違うため、特産となる品目も多岐にわたります。例えば100年の歴史を持つ庄内一円で栽培が盛んな「庄内柿」や、昔から栽培が盛んだった櫛引・朝日地域の「きゅうり」などが挙げられますね。
私の現在の主な担当は花き(お花)です。米作りが盛んな余目・立川地域で育苗ハウスの有効活用のために、ハウスが空いている期間に栽培をしたのがきっかけですが、よい品質のものを出荷してきた実績から、今では市場からの信頼も厚くなっています。
全ての園芸作物に言えることですが、商品を切らさずに安定してよい品質のもので応えるということが信頼に繋がります。花きはお祝い事やプレゼントをはじめ、お客さんの手元で最盛期を迎える商品です。例えば同じストックでも色が違えば生育に差も出やすいものです。同じように育てても収穫にずれが生じます。
単色で花束にするということはそうそうないですから、複数の色を並行で育てて、お客様の求めるタイミングで出荷するというのは設備投資はもちろん、栽培する人の技術がものをいいます。
その点から見ると私たちの仕事は市場と生産者との橋渡しですね。どの時期にどの品種のどんな色をどのくらい出荷するかということを販売先と提携して、生産者への勉強会で伝えます。時期や需要に応じて販売単価が大きく変動するので、所得を上げるためにも大切なことです。
品種の選定から栽培指導、日々の巡回指導などを通して信頼関係を築き、生産者と共にあるという気持ちで職務に当たっています。「今年は需要期に十分な数量を出荷出来てよかった」など、感謝のお言葉を聞いた時はやってきてよかったと思いますね。
SEADS研修生のみなさんへは講義でおすすめの品目などをご紹介しました。前述のとおり、JA庄内たがわは地域が広いので、住んでみたい地域から取り組む品目を選ぶのも良いかもしれませんが、私としてはぜひ花きに取り組んでほしいです。市場からの評価も高いのですが、農業従事者の高齢化が進み、生産量が下がっているのが現状です。私たちもサポートしますので、取り組みがいのある花き部門もぜひ検討していただけたらと思います。
農業は自分で働き方を決め、自分のペースでできるのが魅力です。一口に農業と言ってもいろんな作物があります。また、JA庄内たがわは広域だからこそ、きっとやりたいものがみつかるのではないかと思います。チャレンジしたい方をお待ちしています。