百瀬清昭(ももせきよあき)
校長
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鶴岡市出身(旧羽黒町)。山形県職員として畜産分野の研究からスタート。その後生産現場の普及指導、行政、農業教育を担当。その間、山形大学農学部非常勤講師として学生指導を担当。新しい農業の創造と地域活性化には、人材育成が不可欠との思いを強くし、「農業人材育成」のキャリアをスタートした。特に、山形県立農業大学校では教務学生主任、校長として、農業を志す多くの若い学生、研修生と一緒に汗をかき、農業を語り合いながら楽しい時間を過ごした。退職後は、山形県農業会議「農の雇用事業」の現地指導員、やまがた農業支援センターの農産物認証審査員を担当。初代の鶴岡市新規就農アドバイザーとして、新規就農を目指す若者の思いや悩みに耳を傾けてきた。2021年4月より本校の校長に就任。
新規就農には、綿密な事前準備、初心を忘れず、基本に忠実であることが非常に大事です。安心安全な農産物を追求するあまり、最初から有機栽培や無農薬栽培など高度な生産や地域で事例の無い隙間作物に挑戦することはリスクが大きく、上手くいかないでしょう。農業は多くの知識・技術・経験・創造力を必要とする仕事。単なる夢や憧れだけでは農業の道は歩めません。一歩一歩実務経験を積み重ねて、着実に知識やスキルを自分のものにしながら、自分スタイルの農業経営を作り上げることが大切です。さらに、いつでも相談できる「師匠」を見つけることも大事です。地域には生き生きと農業に取り組んでいるプロの農業者がたくさんいます。実践研修や農業アルバイトなどを通して、地域の方々と交流し、長年培った匠の技を伝授してもらうことが大事です。本校では、そういった機会を作り、提供していきたいと思っています。
鶴岡は、月山山系の良質で豊富な水、空気、土壌があり農作物を育てるには最適な地域。冬期間は積雪がありますが、ビニールハウスで施設化を図ることで、周年的な農業生産が可能です。国内で唯一「ユネスコ食文化創造都市」に認定されている鶴岡は、食の理想郷を目指して生産、食産業、観光・交流など好循環が広がっており躍動感に満ちています。山、川、海がすぐ身近にあり、多様な在来作物はじめ豊かな食文化、伝統文化があり、じっくりと農業経営に取り組むには最適の地と言えます。農業の世界に飛び込んで、すぐに一人前になれるものではありません。地域のプロ農業者、関係機関・団体から支援を受け、研修生同士ばかりでなく、地域の仲間と共に学び合い、助け合い、支え合うことが大切です。我々と一緒に、豊かで持続可能な地域づくり、日本農業のトップモデルとなる農業づくりのため、基本的な知識、技術を身に付けながら一歩ずつ前向きに取り組んでいきましょう。
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